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立ち位置

以前通ってた雀荘の常連に、やたら無愛想な若者がいた。
小柄なイケメンで、いつも髪をツンツンに立てている。
麻雀は超攻撃的なスタイル。
驚く程強い牌をノータイムで打つ時も、常に無表情だった。
そして、成績はすこぶる良かったと思う。






彼と同卓した時は、いつも叩き合いになった。
私もその時ばかりは小細工を捨てて、ゴリ押ししまくる。

そういう麻雀ってあまり我慢のストレスが無いから、常に楽しくて
お互いの大物手を見て、口を綻ばせたりしていた。
言葉を交わした事は無かったけど、認め合うような気持ちはあったと思う。


ある時

彼と同卓した時に、私の上家のオッサンが大ハマリにハマっていた。
8戦くらい打って、6ラスとかそんな成績だったと思う。
勝ち頭は彼で、鬼みたいにリーチをツモりまくっていた。

ハマってたオッサンはだんだんと不機嫌になっていって
オッサンのリーチを彼が1000点でかわした時に、ついにそれが爆発した。

「てめぇ、偉そうにしやがって!何様のつもりだ!?自分が一番強いとでも思ってんのか?」

完全な言い掛かりである。話にならない。

すぐにメンバーが飛んできて、仲裁に入る。
オッサンは収まらずに、店の外に連れ出されていった。


立ち番が居なかったので、3人だけが取り残されて所在無いような空気が流れる。
彼は手元の牌を使って、打牌動作を繰り返している。
その表情には先程の出来事を斟酌している様子は微塵も無かった。

ふと、興が向いたので、話しかけてみた。


「さっきのオッサンが言ってた事どう思います?」
「えっ、何がでしょうか?」


驚きながらも、存外に礼儀正しい言葉遣いで聞き返してきた。


「『何様のつもりだ』『一番強いと思ってんのか』って言ってたやつです」


「あぁ・・・」と、つまらなそうに答えて
少し天井の方を見て考えた後、何でも無いようにこんな事を言った。


「一番なんて事は絶対無いでしょうね。 俺より強いヤツが最低1万人はいて、100万人はいないくらいじゃないですかね


へぇ、と感じた。
いい答えだな、と。

傲慢でも謙虚でもなく、ただ現実をそのまま捉えているだけのような見解だ。
凄くフラットで良いなぁ、と思った。


たぶん
こういう人はもっと強くなるんだろし、
自分もこれくらいのスタンスで何事に対しても接したいと素直に感じた。

自分より強い人間を1万人も想定しておけば
余計な事を考えずに、ただやる事をやれば良いだけだろうから。
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その名の通り、その辺にいる打ち手です。

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